レビュー映画版『アサシンクリード』個々の表現は良い、だかしかし

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映画版『アサシンクリード』をレビューしたい。ゲーム設定をベースに、
ハリウッド映画として独自物語で実写化、2016年12月全米公開された作品。
※本レビューは素人による素直な感想です。高評価の方もいるようです。

 アサシンクリード 映画版レビュー
アサシンクリード 予告編
Google Playで鑑賞(48時間レンタル500円)遅延や画質劣化もなく快適でした。
他の配信サイトも沢山あります。DVDも7月5日に国内リリース予定(左リンク)


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まず、本作はゲーム版『アサシンクリード』を知らなくても一応問題ない。
ストーリー自体は映画オリジナル、現代と15世紀スペインが舞台となる。
現代編・主人公の衝撃的な過去や性格形成を想像しやすく描くことで、
後のアサシンへとつながる様々な動機づけに説得力を持たせている。

ただし、秘宝「エデンの果実」を命懸けで奪い合う理由が共感しづらい。
その争奪戦物語なのだが、説明がふんわり、一側面しか語られないため、
命を奪いあってまで追い求める事に違和感を感じてしまう。


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アサシンクリード代名詞たる「パルクール」凄いが短い。
計数分ほど、戦闘の合間などに激しいカット割りで描かれる。
これではパルクールの存在にすら気付かない観客も多いだろう。
パルクール映画代表『ヤマカシ』くらい長尺で見せないと印象に残らない。


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一方、ゲーム版を知っていれば、ニヤリとする要素はある。
華麗な格闘や立ち回り、アサシンブレードやロープダートなどの武器、
また立体機動装置と化したアクロバティックすぎるアニムスには笑った。

ハリウッド映画らしい「アニムス」の壮大なSF的表現や音響効果、
現代側と過去側のシンクロを同時進行で描く演出のカッコ良さには、
ワクワクさせられ、ちょっと鳥肌も立った。


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一つ一つの戦闘アクションシーンも迫力があり見応えがある。
アサシンの魅力である戦闘は映画でも健在。ブレード、スピア、弓ほか、
多彩な武器を駆使して、様々なシチュエーションで敵をなぎ倒していく。
きっとシンクロしている現代主人公はアドレナリンMAXだろう。
観ているこちらまで、前のめりで熱くなっていた。だがしかし…


 映画アサシンクリードは色々と物足りない
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アクション映画としては盛り上がりが足りない。
ゲーム版は、過去編アサシン側のプレイ時間が圧倒的に長い。
過去編での壮大な冒険や物語が満足度の大きな部分を占める。
映画版では逆だ。現代編がメインであり、長い時間を割いている。
そのため過去編は盛り上がりきれないまま、シーンが細かくぶつ切りされる。


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肝心の盛り上がるべき「現代編の戦い」も感情移入しづらい。
伏線はあり、アサクリ設定を知っていれば理解はできるが、共感はしづらいまま、
クライマックスの戦いが他所で勝手に始まってしまう主人公&観客置き去り感。
さらに現代の仲間達も、それまで一人数十秒も登場せず、セリフも数言の端役。
そんな面々が突如メインキャラばりに活躍しだした所で感情移入などできない。


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ようやく主人公の準備ができた頃にはもう映画終盤。
アクション映画で言えば、さあ…いよいよ真打ちによる最終決戦!
最後の見せ場を期待するところだが、スタイリッシュにアッサリ終了。
もう終わり!?思わず拍子抜けした。長いエンドロール後も何もない。


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そして…本作は壮大な『アサシンクリード』サーガの一部に過ぎない。
そのため物語が完結するスッキリ感などまったくない。
海外ドラマ最終話のような一段落終了感が待っている。
※画像は中盤のワンシーン。


 映画アサシンクリード、レビューまとめ
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終わり良ければ全て良しと言うが、本作の場合は真逆。
終わりが微妙なため、後味まで微妙なものになってしまった。

実写のアサシン表現はとても良く、戦闘アクションも良い、演技も良い、
役者も良い、序盤から中盤まではとてもワクワクさせられた。
そう、個々の素材自体はいいのだ。だが構成と肝心の終盤が…

パンチは弱いが『アサシンクリード』映画デビュー第一弾。

純粋なハリウッド・アクション映画としてなら、及第点と言った所だろう。
期待しすぎなければ楽しめる。アサシンクリード入門編にもピッタリだ。
ただ二作目に繋がらなかったとしたら、非常にもったいない題材でもある。


 JJ voice

最近観た映画は10本位続けて『アベンジャーズ』のような超大作ばかり。
アクション映画へのハードルが上がっていた事が、まずかった気もする。

まあ、アサシンクリードはやはりゲームで遊んでこその題材。
長い時間をかけ、中世や古代の異国オープンワールドを旅して、
かつて起こっていたかもしれないドラマや戦いを体験する事に魅力がある。
最新作オリジンズも発表された事だし、ゲームの方に今後も期待したいね。

この記事へのコメント

  • 通りすがり

    映画レビュー面白かったです。
    パルクールのシーンがあまり長くないようなのでそれは少し残念です。

    よく漫画やアニメの実写化は批判されたり、失敗作が多いと揶揄されたりもしますが、案外ゲームを映画化するのが一番難しいようにも思います。
    プレイヤーのプレイ体験の興奮と同等あるいはその上を映画で獲得するのはかなり難しそうな印象があります。
    (でも決してゲーム実写化否定派ではないので、今後も果敢に制作してほしいと思っています)

    また機会があれば映画のレビュー楽しみにしてます~
    2017年07月02日 21:43
  • JJ

    ありがとうございます。
    2時間映画なのですが、後20分あればと切に思いました。
    面白くなるなら3時間でも大歓迎ですけど、周りが許さなかったでしょうね(笑)

    バイオハザードやFF15の映画版も評価が高いですし、
    映画版が成功して知名度が上がれば、ゲーム側にも
    続編やスピンオフが作られたり恩恵が色々ありそうですね。

    映画レビューもまた機会ができたら、書きたいと思います。
    2017年07月03日 00:39

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