STEAMレビュー『A Trip to Yugoslavia: Director's Cut』戦地からの生還を目指す!実写マルチエンディング・アドベンチャー

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囚われの写真家となり、戦地からの生還を目指す実写アドベンチャー
A Trip to Yugoslavia: Director's Cut』 STEAM PCゲーム。
興味深いゲームでしたので、レビューを兼ねてご紹介します。


💥 A Trip to Yugoslavia: Director's Cut ゲーム紹介&レビュー

好評  定価98円  開発:Piotr Bunkowski , Hades Productions  日本語なし
※ユーゴスラビアにおける実在戦闘とは一切無関係との事。

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1990年代のユーゴスラビアを舞台にした短編物語。
主人公のアマチュア写真家デミトリは、森林地帯で拉致されてしまう。
これはごく普通の青年が敵地からの生還を目指す物語である。
時には銃を取り、時には究極の決断も迫られる。全てはプレイヤー次第。


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実写ムービーによる、選択型マルチエンディングADV
「正面突破か、ステルスか」「トドメを刺すか、それとも…」
各所にある選択肢、またはQTEイベントの成否によって分岐。
トゥルーエンドからバッド・エンドまで沢山用意されている。

初見でも20~30分ほどで何かしらのエンディングに辿り着けるだろう。
2週目以降は早送り機能を使えば、最短数分~20分と言ったところ。
ただルート自体は少なく、コンプリートを目指すならば作業感も出る。


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ポイントクリック型の探索シーンも各所にある
物資を探したり、建物を調べたり、簡易的な内容ではあるが
「敵が潜んでいないか…」など慎重に選んだり雰囲気は楽しめる。
シークレット収集もありSTEAMコミュにもガイドが出来ている。


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90年代ギミックとして「VHSビデオ」機能がある。
味のある粗い映像演出のほか「一時停止、巻き戻し、早送り」も使える。
ただし、さほど有効ではない。巻き戻しは現在シーンの冒頭に戻るのみ、
一時停止も肝心のQTEタイミングで使うと失敗扱いになってしまう。

早送りは周回プレイに便利だが、せいぜい1.25倍程度と速くない。
もう少しこれらを活かしたゲーム性があれば良かったのだが、
実写ムービーゲームかつフラグ管理ADVとジャンル的に難しい所かもしれない。


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QTEイベントも各所にある
発生時には大抵BGMが大きくなり緊張を促してくる。
慣れてしまえば簡単で、戦闘シーンはちょっと面白いが、
失敗により別ルートに進んでしまうシーンは難点でもある。



📝 A Trip to Yugoslavia: Director's Cut 難点
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最初の3~4周はまだ楽しいが、全エンディング回収は相当時間がかかる。
上述のように早送り機能が遅く、選択分岐点まで数分かかる上、
スキップ機能などなく、毎回同じ作業を手動でする必要がある。

「どの選択肢がどう影響するのか」分かりづらい。
例えば「ある兵士を気絶させるか命を奪うか」の選択でも
行動ムービーが変わるだけで、それ以降の影響描写がない。
一部のみ文章に結果が現れるものもあるが、それ以外が悩ましい。
選択肢は何箇所かあり、分岐パターン総当たりはちょっと骨が折れる。



📝 A Trip to Yugoslavia: Director's Cut レビューまとめ
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最初の2~3周はワクワクしながら物語展開を楽しめた。
戦場からの脱出という興味をそそられるシチュエーションだけに新鮮。
崩壊感ある雰囲気や、90年代レトロ感ある映像演出もGOOD。
英語についても、短文の分かりやすい文章が中心でさほど問題なかった。
一部会話シーンはあまり頭に入らなかったが、何となくは想像できた。

あくまで定価98円の低予算インディゲーム短編。
物語・演技ともにアマチュア自主制作クオリティでツッコミ所もあるが、
10代と思しき役者たちの頑張っている感じは微笑ましくて逆に楽しい。
きっと撮影後は笑い転げたシーンも沢山あることだろうとニヤニヤ。

Extraのサウンドトラックで聴ける楽曲も結構いい。
価格分は十分に満足できるゲームだった。
ぜひ快適性を向上させた次なる実写ADVも期待したい。

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ちょっと楽しそうな兵士たちである。みんなで作ったのかな?



 JJ Voice

3時間以上プレイして10数周、未だコンプできてませんがもう十分(笑)
さて、実写アドベンチャーと言えば、16Bitや32Bitゲーム機時代には
次世代な香りを感じたものですが、CGの発達により激減しましたね。
「街」のような名作から、「ナイトトラップ」のような怪作、
訳の分からないアイドルゲーム風の迷作まで色々ありました。

高画質カメラも安い現在では、アイデア次第で比較的安価に使える
ひとつの制作ツール。色々と活用できそうですね。

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