
一人称視点の独創的な3Dホラー・フリーゲーム『Close Your Eyes』
Unreal Engine 4 による美麗かつ不気味な施設を探索していく。
「瞳を閉じる」という視界ギミック、何より世界観や物語性が秀逸。
面白い作品でしたのでレビューと共にご紹介します。記事最後に考察あり。
✨ | 発掘!良作フリーゲーム 『Close Your Eyes』 |
製作:Gamagami氏、容量:674MB(解凍後)、日本語なし
WASD=移動、Ctrl=しゃがみ、E=アクション、左クリック=目を閉じる・開く

好きな金額を支払う事も可能です。無料でダウンロードする場合は
「No thanks, just take me to the downloads」から。
一人称視点の3Dホラー探索アドベンチャー。50分ほどの短編。
不気味な施設を探索しながら、様々な仕掛けを解いていく。基本一本道。
謎解きは易しめだが、一箇所だけ英語がヒントとなっている場面がある。
答えは単純だったが少し迷った。ネタバレOKな方のみドラッグして解読。
「BEHIND=後ろ」と書かれている場面。1階のXロゴ看板の後ろを見てみよう。
被写界深度のかなり効いたボケ味がGOOD
ドアの隙間や角から覗く時などに臨場感がある。
低スペックPCでは重い場面あり。タイトル画面から画質設定できる。
視界を使ったギミックが特徴
まさに心眼! 瞳を閉じることで、本当に大事な物が見えてくるのだ。
時には進むべき道が、時には謎を解くカギが、時には真実が……
施設を徘徊する凶暴な「何か」
唯一の対抗手段…それは「目を閉じる事」
こちらが目を閉じている間は、奴らも私が見えないのだ。
✨ | 『Close Your Eyes』 レビュー |
ただのホラーゲームではない、
しっかり練られた力作アドベンチャーだった。
序盤は、ワクワクしながら雰囲気や謎解きを楽しめ、
中盤は、ハラハラしながら隠れんぼ&鬼ごっこでき、
後半は、それまで断片的だった伏線が次第につながっていく。
Close Your Eyes(瞳を閉じて…)
その意味が分かった時、心が震えた。
執拗に主人公の瞳を狙ってくる不気味な「何か」
時折現れる意味深な「メッセージやビジョン」
そして「独創的な世界表現」
ただ無意味に恐ろしいだけではない…
ただ仕掛けとして瞳を閉じるだけではない…
根底にあるテーマを、暗喩としてアートやギミックに落とし込んだ
とても作家性の高い作品だった。単館系の海外映画を観たような気分。
エンディングに到達した時にはいい意味でゾクッとした。ブラボーである。
やや大げさな評価かもしれないが、それだけ心動いたゲームなのだ。
☕ | JJ voice |
作者さんは高校生との事。何と言う才能だろうか! 将来がとても楽しみな若きクリエイターである。恐るべし… 私の高校時代なんて……いや違う意味で切なくなるのでやめておこう(笑) ちなみに本作はややグロめの表現もあるが愛嬌ある造形なので、 ホラー苦手な私でも大丈夫だった。基本は目を閉じて見ないゲームだしね。 もちろん、途中から外部でBGMを小さく流していたのは言うまでもない…… |
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💡 | 『Close Your Eyes』 最後に考察 |
以下は物語についての具体的な考察です。
クリア後など、ネタバレOKな方はクリックしてご覧ください。
(一部環境では隠れずに表示されてしまうようです)
![]() 現実と幻想…本作には2つの世界がある。 瞳を閉じれば怖さから逃れられる… それは優しさであり誘惑。 幻想に過ぎない。怪物に捕まると瞳を奪われるがそれも幻想…… 復活選択肢は Wake UP(目を覚ます)なのだから。 「子供騙しが本当に通用すると思っているの?」 そんなセリフとともに再び現れる、機械的な女性型の別怪物。 現実を直視するための厳しさを示す。幻想世界の真実を見せたり 捕まってもゲームオーバーではなく、現実に引き戻してくれる。 最期には、自らの意思で選択できる所がニクイ。 現実から逃げるか、現実を受け入れるか、それとも選択を拒否するか… 待っている未来は変わらない。本作は滅亡を目前にした刹那の現実逃避。 どう最後を迎えるか……選択するための心の旅路なのである。 「君を助けようとしているんだ」 クリア後に幻想側メッセージ思い出し、何とも切ない気持ちになった。 あんな絶望的現実が待っていたら、誘惑に負けて瞳も閉じたくなる。 一方で、あれだけ怖かった女性が「よくがんばったね」とばかりに 精一杯両手を広げて迎えてくれる最期の姿には母のような愛が見える。 どちらを選ぶも自由だが、私は後者でありたい。 そんな事をしみじみ考えさせられたゲームだった。 と言うのが、表面的な考察。 主人公はアンドロイド(人間の魂か精神をインストール?)なので、 滅亡シナリオにおける行動観察のシミュレーション実験かもしれない。 またはアンドロイドである事自体が幻想、天使と悪魔による救済試練か。 色々解釈できそうで面白いね。 |
この記事へのコメント
おくすり地獄
作者さんが高校生でこのクオリティとはその才能が本当にうらやましい
このブログは怖すぎないホラーゲームの紹介記事が多くとても感謝しております。
ちなみに何故か私のスマホのchromeで記事を見ると考察の部分がボタンを押さなくても勝手に表示されていますw
JJ
隠しボタン機能をスマホ対応に改良できるほどの知識がないため、
記事末への隔離で応急対処しました。プログラムは難しい。。。
ちなみに当サイトで紹介するゲームはホラー風味までになります。
ガチに怖いホラーなんて私には到底プレイできません(笑)
Sara
自分の中での考察内容がJJさんと同じで驚きと共に、親近感が…!!w
しかし、やはり納得できていないのがロボットだった主人公がなぜハスクになり、最終分岐で幻想を選んだ途端、あの女性になったのか。
また、あの女性は何者であったのか・・・。
手が機械なこともあり、目もあるしロボットなんだろうとは思うのですが
主人公が幻想世界から戻ってきたとき、女性の前にさっきまでの自分(ハスク)が倒れていたので、ますますわからなく(´・ω・`)
女性ロボ=主人公自身だったのかなと。。「君を助けようとしているんだ」と言っていますし"(σ・ω・`*)ゥーン・・・
どちらにせよ、本当にこのゲームはよくできているなと(`・ω・´)
高校生には難しい世界観をテーマにここまで素晴らしいゲームができるなんてヾ(*´ェ`*)ノ
長々と書いてしまいすみません┏○ペコ
JJ
Saraさん、コメントありがとうございます。
なるほど確かにまだまだ疑問は残りますね。
もしかしたら女性ロボは主人公の心なのかもしれません。
「認めたくない、厳しい現実を直視する強さ」ゆえの怖い姿。
そして最後に女性ロボを選んだことで、HUSK(殻)から出て、
本当の自分になれたのではないだろうかと改めて想像します。
主人公のHUSK姿については、道中で目を閉じて幻想に逃れたり、
他者の目を奪ったりした事でHUSKと同類になってしまった…
と、主人公が思い込んでしまったのではないかなと。
序盤のロボット説がミスリードだった可能性もありますが(笑)
ゲーム内では明確な回答がないため、解釈の余地がありそうです。