STEAM無料作品『Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald: A Whirlwind Heist』良作レビュー、一人称視点ADV

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名作メタ・コメディADV『The Stanley Parable』開発者によるSTEAM無料配信作品
Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald: A Whirlwind Heist』最近遊んでみて面白かったため、レビューを兼ねてご紹介します。タイトル長っ!


Dr. Langeskov, The Tiger, and The Terribly Cursed Emerald: A Whirlwind Heist
無料! Crows Crows Crows 2015年配信  掲載画像は日本語化MOD適用後のもの
操作方法 WASD=移動、左クリック=アクション


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本作もメタ溢れる体験型コメディ、一人称視点アドベンチャー
まず製作者Mr.William Pugh氏の代表作と言えば The Stanley Parable
主人公(プレイヤー)の行動に対して、ナレーターが様々な反応をしながら
ストーリーが奇想天外に変化していく、メタ全開の名作コメディADVだった。

本作も近いスタイルだが設定はやや異なる。
主人公はプレイヤー自身。本作内でも「ゲームプレイヤー」として扱われ、
ゲーム開発者(以後ナレーターと呼称)に色々指示されながら探索していく。

素直に従うも良し、勝手な行動をとるも良し!
ナレーターのリアクションや、ユーモアある体験を楽しむ作品となっている。
実績向け要素や、裏背景が分かるオーディオログ収集も散りばめられている。

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 Dr. Langeskov 読んでおきたいストア説明文

以下、STEAMストア説明文を日本語で意訳。
プレイ前に読んでおくと、より楽しめると思う。


それは記録的な猛暑の夏、ヨーロッパ全土で高価なものが消失していた。
博物館の学芸員たちは、貴重なアーティファクトが盗まれた事に気づく。
裕福な金持ちたちは、貴重な絵画が壁から消滅した事を目覚めとともに知る。
唯一明らかなのは、大泥棒は大陸ツアーを楽しみ、警察は頭をかきむしっていると言う事だ。

静かに邸宅の芝生の暗がりを横切る…
ポケットの麻酔銃を固く握りしめ…
最高に大胆な強盗劇をお約束……


ああもう! これ以上やってらんない。私ストライキに参加するわ。
本当はこんな事したくなかったけど、もう遅いの。

私がSTEAMストア説明を書くことになってて、それが仕事だけど、
人手不足で照明部でも働けって言われたし、動物の準備をさせられるのも時間の問題。
そしたら虎に食べられないよう警戒しなきゃいけなくなるって皆んな知ってる。

以上よ! 私ストライキに参加してるの。
誰かに説明文を完成させてほしいとしても、それは彼らの問題。
私やめます。

tinaより


こんな前設定のもと、始まるゲームなのである。
事前に知っていると、状況が分かりやすくなる。



 Dr. Langeskov レビュー
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「シチュエーション・コメディ」的世界に入り込める体験型ゲーム。
色々試しながら20分強、予想できない展開にワクワク、
ナレーターのリアクションに笑いながら最後まで楽しめた。

製作者が「準備したゲーム」を「プレイヤーが遊ぶために訪れた」と言う
メタ設定を活かしており、ふと自分自身の状況を冷静に考えると面白い。
お約束的な笑いもしっかりある。基本的にすぐ従わない事をお勧めしたい。

また限られた空間だが、何が起きているか想像をかき立てられる辺りも、
ストア説明とボイス熱演の賜物。製作者さんらしい遊び心溢れる作品だ。

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「従う or 従わない」による分岐はない一本道物語。
ただし行った行動によっては一部セリフが変化する。
収集要素や実績など興味がなければ、初見プレイ時に
調べられる場所を全部調べたり、行動を全部試すといいかもしれない。

ナレーターのボイス演技はいかにもギーク風で自然、
導入の演出や、綺麗な建物内のグラフィック、
ミステリアスに見せる照明の工夫にも感心した。

「The Stanley Parable」と比べれば小粒だが、
無料作品と考えればとても良く作られている。

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色々調べたり収集できる。集めると一体何が……
ロード中にはヒントも。これもある意味ギャグである。


🍸 JJ note

こういう大手が作らないようなインディ良作と出逢えるのも
個性豊かな異文化の才能が集まるSTEAMの魅力だったりします。
メジャーゲームや定番ジャンルだけではない新たな遊びの試行。
今後も面白い試みが増えていってほしいですね。

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