STEAMレビュー『ECHO』主人公の行動が敵に学習される!異星のSF地下宮殿へ潜入するステルスTPSアドベンチャー

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行動が敵に学習されてしまう!美麗なSF地下宮殿ステルスTPS『ECHO』 
人を選ぶゲームですが、クリアを機にレビューを兼ねてご紹介します。



 ECHO(エコー) ゲーム概要▲目次へ

非常に好評  定価 2480円  開発 ULTRA ULTRA  日本語なし


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はるか遠い惑星の地下深く… 防衛システムに守られた謎の宮殿…
大切な人を救うために試練を越えていくSF物語。

主人公EN(エン)は、AIであるLONDON(ロンドン)と共に
過去に死んだとされている男フォスターを救うため
はるか異星地下に隠された、古代宮殿へと潜入する。

“彼” と呼んでいる “謎のキューブ” を持って____。

宮殿はまるで意思を持っているかのように我々を観察。
防衛システムなのか敵対生物を生み出すが……
その姿は「主人公そのもの」だった!

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主人公が銃を撃てば、彼女らも撃つことを学習し……
主人公が扉を開ければ、彼女らも開けることを学習する……
こちらが多彩に行動するほど、脅威になる敵 “ECHO(エコー)”

一体彼女らは何なのか? 宮殿の最深部には何が待ち受けているのか?
そんな設定に惹かれるSF物語。 私の慎重プレイの初見クリア10時間強。



 ECHO ゲームシステム▲目次へ
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システムを知らずに遊ぶと高難易度と化す! 独特なステルスTPS。

宮殿は「一定間隔ごとに停電が起きる」サイクルを繰り返している。
明るい間は「主人公の行動を記憶」されてしまうが
停電の間は「20秒ほど監視されない」行動チャンス。

ただし「敵は前サイクルの行動しか記憶できない」ため
無限には強くならず、新しく覚える行動以外はリセット。
なお……敵は倒してもサイクルごとに無限復活!


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主人公は非力。慎重に進めていくゲーム性。

連続2発くらえば死亡(赤いトゲで警告)、ダッシュは5秒で息切れ(食べ物でスタミナ回復)
近接攻撃(ノーダメージ突き飛ばし)、背後からテイクダウン、
デコイを投げて注意を引く、声を上げて注意を引くなどを活用。

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「銃を撃つ・センサー使用・高所の飛び降り」などはエネルギー消費。
最初は1エネルギーのみで、連続1発しか撃てない(徐々に自動回復)

緑オーブを取ると、エネルギー容量が増えていくが
2エネルギー以降は自動回復せず、マップ上で補給。
銃はハンドガンのみ、いざと言う時の切り札。 撃ちまくるTPSではない。



 ECHO 気になりそうな点▲目次へ
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会話で物語るため、ゆっくり歩く探索イベントが要所に。

序盤は敵が現れるまで30分以上、ゆっくり探索しながら会話。
以降のイベントはそれぞれ数分だが、ゆっくり歩きながら会話。

常時ダッシュしたいFPSプレイヤーは、むずがゆく感じるだろう。
特に1段ずつタタタタ…と降りる階段モーションは叫びたくなる(笑)

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停電のタイミングが分かりづらい。

時間ではなく、一定行動または一定脅威ごとなのか
ひたすら敵を避けていると、中々始まらないが
敵に追われると、すぐ停電が始まる。

そのほかの点

・グラフィックは綺麗だが、インディゲーム感あふれる作品。
・会話多め。英語を読めないと、どんな話か分からない可能性大。

・敵種類はわずか。 敵AIは単純ステルス仕様で、仲間の死体には無反応。
・死亡=エリア最初から再開。 広いマップは途中セーブポイントもある。

・クラッシュ(CTD)で3回ほどゲームが突然落ちたが
 ゲーム再起動で問題なくセーブポイントから復帰できた。



 ECHO レビューまとめ▲目次へ
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物語としては、考察したくなる解釈の余地を残すSFモノ。

この宮殿は何なのか? 主人公の過去に何が起きたのか?
序盤こそSFスリラー映画風だが、どこか内省的な物語。
派手さはなく、深淵に向かうような静けさ漂う雰囲気。

イベントでは歩きながらの会話から「断片的に」物語を察していく地味な作風で、
ムービーは一部のみのため、英語をリアルタイムに聞いて・読んで理解しないと
クリアしてもよく分からず終わってしまう、日本語が欲しくなる作品。

私は会話シーンを撮影して、クリア後に翻訳読解したが
解釈の余地が色々残る、謎の多いストーリー作品だった。

スッキリ感はないものの、舞台設定や序盤雰囲気はワクワク。
少し映画『スフィア』を思い出した(もっと近い作品があった気も…)
STEAM掲示板でも色んな自己解釈が披露されており読むと中々面白い。


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ゲームとしては、数あるステルスTPSでも「制限強めで独特」な作品。

敵の学習ギミックは、主人公の立ち回りまでは再現せず、行動選択肢を解除するもの。
まさに自分自身と対峙するような、ガンガン戦える方向性なら面白そうだったのだが。

あくまでステルスゲーム。 慣れると楽しくなるが窮屈さもある。
敵は大勢いてサイクルごとに無限復活。  弾は少ないため銃撃プレイは不利。
1サイクル突破できるマップや、隠れやすいマップ以外では停電時の切り札。

一般TPS感覚でガンガン行動するほど難しくなってしまうため、
安全に進むべく「厄介な行動を覚えさせない」縛りプレイになりやすい。

射撃、ダッシュ、扉開け、乗り越え、高所ジャンプなど
状況によって何かしら縛って、慎重に探索していく感覚。
ステルス困難な難所もありハラハラ。

「次の停電で〇〇しよう」「ここは一気に走り抜けよう」など
作戦を立てるのは楽しいが、慎重ステルスが好きなプレイヤー向け。


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ゲーム展開はシンプル。 大作のような多彩シチュエーション型ではない。

「カギを探してエリア扉を開ける」or「光を一定数集めてエリア扉を開ける」
マップは広めだが、ステージクリア型に近い。  扉開放を目指していくゲーム。
そしてエリア間では歩きながら会話イベントの流れ。  ラスボス戦などもない。

マップはどんどん複層構造に広くなり、楽しめたものの
激しく好み分かれそうな作風。インディゲーム感も強い。
戦闘を求めると微妙、どうステルス攻略するか試行を楽しむ作品と言える。


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最後に。

スクショ撮影したくなるロケーションが多く、建築美がGOOD。
初めてエコーが現れる序盤までのSFスリラー感覚も良かった。

ちなみに声を出す、楽器を鳴らしてみる、など何でも覚えるエコー。
真似しているだけと思うが、ちょっと可愛い。
戦わずに進めれば、良かったのだけどね。



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制作のUltra Ultraはデンマークのインディスタジオ。
本作でゲームアワードも複数受賞していましたが
残念ながら2019年、発売からわずか2年弱で活動停止が発表されています。

さて! レビューを書きたいゲームは面白いように筆が進みますね。
良作ゲームでも何故かあまり筆が進まないゲームもありますが
一癖も二癖もあるほど、何が言いたくてウズウズするのかな(笑)


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