全編九州方言!石油リグ異形ホラー『Still Wakes the Deep』、2024年6月よりSTEAM PC版ほか発売されている作品です。興味惹かれてプレイ。クリアを機にレビューを兼ねてゲーム特徴をご紹介します。
目次 |
✨ | Still Wakes the Deep ゲーム特徴紹介▲目次へ |
非常に好評 定価3900円 開発The Chinese Room 配信Secret Mode XBOX/PC Game Pass対象 日本語対応(ただし全編方言 気になった点で後述) |
孤立した海上の石油リグ…「謎の何か」により仲間が次々犠牲に!
映画のような物語体験型、1人称ディザスター・ホラーアドベンチャー
1975年冬スコットランド沖の石油掘削施設、電気技師として働く通称カズ。
仲間は良好だが、鬼上司からクビ宣告、陸に残してきた妻とも破局寸前…
そんな状況で恐ろしい異変が…… 響く悲鳴… 崩れる建物…
一体何が起きているのか!? 無事に生還できるのか!?
「石油リグで起きる“遊星からの物体X”」というアイデアから誕生した作品。主人公の本名McLeary(マクレリー)も映画主人公MacReady(マクレディ)のオマージュを思わせます。生存者わずかになっていくドラマ性や、逃げ場のない海上も特徴です。
戦う手段はなく、何度かGame Overになりつつ攻略していく。
クリアまで5.5時間ほど、寄り道はほぼない物語体験型のリニア作品。
開発は過去作『Amnesia: A Machine for Pigs』などの英国メーカーです。
様々なピンチを乗り越えていく
QTEも襲い来る!アスレチックのような崩壊区画、
息継ぎしながらルートを探していく浸水区画…
そして恐ろしい「何か」がいる危険区画…
居住区から作業場まで、崩壊して閉塞感ある不気味なリグ内を
次々トラブルに巻き込まれながら、どんどん進んでいきます。
章ごとにロード切替、各マップはコンパクトで動作軽め。
時にはステルス… 時には逃げる! イベント主体に進行
ダクトなどに隠れ、物を投げて陽動したりのステルスほか
追われながら必死に逃げたり! ハラハラする場面もあり。
主人公は一般人のため、捕まればGame Overでリトライ。
ジャンプスケアは少なめで不気味な雰囲気ホラーに近い。
ただ、あまり観察したくないグロ描写もあり。
🎥 | Still Wakes the Deep 気になった点▲目次へ |
登場キャラ全員方言はちょっとキツか! UI以外ぜんぶ九州ば方言ばい!
以下セリフの一例(もっと分かりやすい会話も多いです)
同僚「頭から尻尾まで分からん状態でさ」「そんせいでみんな遅れとっとね?」「神が微笑んで下さらん限りはな」「もっと最悪やっか!」 噂話「ここらは新しかリグでいっぱいになるらしか」「ウェストミンスターのゲスどものちゃちで汚か手ば、スコットランドの石油で一杯にしたいとよ」「カダルは他んリグば建つっため、もっと削減ばしよっとぞ」 |
私は10年近く九州に住んでいた時期があり、友人もいるため博多弁や福岡近隣県の日常方言は慣れてましたが、本作は頭にスッ入らないセリフも多かった。調べると長崎弁のようで、九州に馴染みないプレイヤーだとさらに分かりづらそうな印象。
本作では1970年代イギリスに対するスコットランド独特方言の表現として選ばれており「海外文化含んだ内容を、年配世代や一部の方しか使わなそうな(現代では)コテコテの方言」で翻訳しているため、長いセリフは分かりづらい。知らない単語もしばしば。英語ボイス + 日本語字幕で最初から最後まで続きます。大きな賛否要素です。
翻訳以外でも気になった点ば列挙しとくばい
・走っても遅い。 今走ってるのか分からない程度のスピードUP。
夢の中で「ゆっくりしか走れずもどかしい」感覚に近い。そのぶん焦ります。
夢の中で「ゆっくりしか走れずもどかしい」感覚に近い。そのぶん焦ります。
・沢山登場するものの、同僚は誰が誰か分かりづらい。
序盤で(任意で)話しかけられるだけのため、再登場しても誰だっけ?状態。
そのため主人公は辛そうでも、プレイヤーにとっては仲間が死ぬショックは薄い。
序盤で(任意で)話しかけられるだけのため、再登場しても誰だっけ?状態。
そのため主人公は辛そうでも、プレイヤーにとっては仲間が死ぬショックは薄い。
・QTE即死イベントがちょくちょくあり、初見だと何度も死ぬ。
(ただしパターンも押すボタンもほぼ共通、2度目以降は簡単)
(ただしパターンも押すボタンもほぼ共通、2度目以降は簡単)
・順路を進むような一本道、6時間弱の物語体験型ゲームです。選択分岐や周回なし。
マップや展開は起伏に富んでますが、寄り道はほぼなく、調べられるモノも少ないため、物語に集中してガンガン進む作風です。
✨ | Still Wakes the Deep レビュー▲目次へ |
映画のようなドラマ展開 × 石油リグという舞台がGOOD
1人称ホラーADVとしてこだわり感じる意欲作。だが…
「暗闇に何かいるが… 電力の復旧に向かわなければ…」
「今度は何が起きたんだ! くッ まだ出られないのか!?」
何度も追い込まれる、主人公を通してピンチを乗り越えていく。
真相が中々分からず孤立状況のSFスリラー映画のような気分。
ただし主人公は一般人。怖さや逃げたい気持ちがセリフに。演技GOOD
目頭熱くなった場面もある物語体験感覚、重いけれど私は好きな話でした。
グロ描写はあるものの、怖いの苦手な私でも問題なく遊べました。
バイオハザード7やヴィレッジが大丈夫ならOK(直視しなければ)
ただ戦えないため、隠れながら慎重に進んだり、
振り返る余裕などなくダッシュで逃げたりなど
ドキドキはさせられました(何度も死ぬため慣れます)
ばってん! 方言翻訳に耐えられるとが… 評価の分かれ道ばい!
・・・方言だと一気にシュールな感じになりますよね(笑)
クリア約5.5時間、コンパクトながら物語がしっかりしていただけに
全編方言(字幕)なのが、会話理解と感情移入においてハードルです。
気になった点で上述しましたが、
意味が分かりづらかったり、せっかくの良い場面やシリアスな場面も
馴染みない言葉の違和感から、感情移入しづらく勿体なさを感じました。
70年代の舞台設定上、コテコテ方言はこだわり要素ながら
メインゲーマー全国10代~30代向けではない上に字幕翻訳。
人によっては拒否感を覚えるかもしれません。
九州方言に触れられるゲームとして貴重ではありますが。
グラフィックは綺麗め、リグの雰囲気もGOODだが一本道。
公式HPや動画でこだわりが語られており、マップの細部の作り込みや、重機や看板などオブジェクト再現がGOOD。
それだけに「ほぼ順路通りに進む一本道」が私は残念でした。崩壊して通路狭く入り組み、どこにいるのか分からない時も。明るい全景を見られるのも序盤のみ。
もし自由探索しながら目的地を目指すゲームだったなら、もっと石油リグのマップや景色を堪能できたかと。ただ移動が面倒だったり迷ったり物語没入感は薄れるかもしれません。本作はその煩わしさを省いて物語集中させる作風です。一長一短かな。
最後に。「方言翻訳」と「価格的に約5.5時間の1本道リニア物語」は賛否分かれそうですが、ゲーム自体は結構満足できました。選択肢としてGame Passでも遊べます。
☕ | JJ VOICE▲目次へ |
石油リグの海外ドラマやSFホラー映画を最近観ていて ふと思い出し、無性に遊びたくなったのが本作でした。 リアルでは本作ほど方言全開の会話経験はありませんが 「九州っぽい!」と懐かしい気分で所々笑えました。 怖さがちょっと紛れたメリットも。 まあ、言葉は時代によって変わるもの。 「ばってん」なんて古風方言はもはや芸人や映画ドラマで聞く位。 私は九州時代の友達と話しても激しい日常方言でこれくらいです ↓ 「今度格闘大会やらん?」 「ああ超必殺技コマンドとか忘れたっちゃけど」 「最近なんか面白い格ゲー買ったと?」 「買ったよ、セールやったし」 「Street Fighter…1!DLCやけどね!」「なんそれw」みたいな(笑) 会ったりTELで友達が方言だと当時の感覚に戻りますよね。 |
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この記事へのコメント
ガバス
博多弁というのかな?九州弁で括ってしまうのはちょっと大雑把な気もします。
大昔に博多が舞台のマンガが大ヒットして映画もつくられましたね、登場人物が同じように話してました。
JJ
芸人や俳優さんは敢えて昔ながらの方言を話す方が多いですね。福岡舞台の映画やTVで10~30代までフルに方言で話すのは違和感激しくて苦笑しますが地域性の表現かな。 ちなみに私がいた頃は九州各地の親戚や友人も日常会話レベルの方言イントネーションが少し入るくらいだったため、リアルで古風方言を聴く機会は貴重になってきてるかもしれませんね。