
世界名作劇場のような童話アニメ風味のドット絵アドベンチャー
『The Count Lucanor』 日本語対応のSTEAM PCゲーム。
とても面白い作品だったため、クリアを機にレビューを兼ねてご紹介。
📖 | The Count Lucanor Review |
The Count Lucanor(STEAM) ※ややグロ注意
通常1010円、 総合評価:非常に好評、 開発:Baroque Decay、 日本語対応
ワガママ少年に降りかかる悪夢のような試練を描く
10歳の誕生日、母親との貧しい2人暮らしに嫌気がさして、
家を飛び出す主人公ハンス。森の中ある事から気を失ってしまう……
目覚めると辺りは悪夢のような危険な世界に変貌していたのだった!
そして謎のゴブリンに導かれ、不気味な城へと訪れる。
名前を言いあてれば、伯爵の莫大な遺産をもらえるチャンスがあると言う…
軽い気持ちで挑戦に応じるハンス。それが恐ろしい試練であるとも知らずに……
仕掛け満載の古城を探索する、謎解きホラーアドベンチャー
トラップ部屋や、倉庫番ライクな部屋、アイテムや情報を探して推理したり
様々な仕掛けが用意されている。謎解き難易度は易しめ。大抵ヒントもある。
ただし、セーブは金貨が必要。アイテム購入もしなければならないため、
気軽にはセーブに使えない。死亡=戻し作業を恐れての適度な緊張感がある。
様々なキャラクターとも出会う
買い物もできるが胡散臭い商人、女性トレジャーハンターほか
助言やアイテムをくれたりする。憎めないキャラクター達だが、
果たして本当に信用できるのか……
恐ろしい"何か”も徘徊している… 戦う手段など…ない。
城内は真っ暗なため、限られたロウソクを各所に置いて視界を確保、
近づかれる前にテーブルの下やカーテンに隠れてやり過ごすのだ。
なお、奪われたHPは食べ物で回復できる。
📖 | The Count Lucanor 気になった点 |

・プレイに問題はないが、ウィンドウ化や解像度の切替え設定が効かなかった。
PC環境依存現象かもしれないが、オプションから変えても反映されない。
なお、Winキー+Dキーでデスクトップに戻れるので、さほど問題はない。
・移動速度が遅め。歩くのみでダッシュはない。
行ったり来たりが多いため、ややじれったくなる時も。
・実績のフルコンプリートには悪人プレイも必要。
後味が宜しくないため、人によっては難点かもしれない。
📖 | The Count Lucanor レビューまとめ |
シナリオ構成がよく出来ていて、先の見たさに一気にクリア。
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本作の最大の魅力はやはりシナリオ。 散りばめられた情報の断片から「あ…主人公はまさか!?」と匂わせつつ、 別の真実があると分かった時の「この先どうなるんだ!?」というワクワク感。 会話だけでなく、登場するキーパーソンや、文書やマップ背景だったり、 プレイヤー自ら発見する形で情報補完されるため、ミスリードだと気付きにくい。 序盤の「ただの冒険」が、次第にパーソナルな意味を持っていく過程が自然でGOOD。 城から出た後の、静かな遺跡感も何とも言えない。 命からがら大冒険した城の外観……切なくも郷愁を誘う。 だが、夢ではなかった事を示す、探検家のお姉さんの存在。 「何が事実で、何が虚構か」思い返してみるのも面白いね。 最後に、「ワガママ」で傷つけてしまった母親への罪悪感からの解放。 エンディングでの母親とのあたたかいやり取りはもう最高だった。 子供の誤ちを優しさで受け入れる、母の気持ちを思うと涙が出てくる。 色々な感情の機微が詰まった豊かな物語だった。 教訓を伝えるための残酷童話ではなくて良かった。 |
☕ | JJ Voice |
製作はスペインのアーティストと、フランスのプログラマーの二人が中心との事。 STEAMグリーンライト登録時には、日本語ナレーションによるPVを制作しており、 ストア説明の「ゼルダの伝説、ゆめにっき、サイレントヒル、ダークソウル」名称や 世界名作劇場のような絵柄からも、日本ゲームやアニメへのリスペクトが伺える。 大手では少なくなったドット絵だけど、良いインディ作品が増えてきたね。 古き良きスタイルを踏襲しているゲームも多く、肩肘張らずに遊べるのも魅力。 美麗3DCGもいいけれど、たまにはレトロ気分でのんびりするのもイイネ。 |
この記事へのコメント
おくすり地獄
このゲームは知らないうちにライブラリに登録されていました(笑)
多分プレイしないだろうなあと思っていたのですが日本語対応で世界観も惹かれる物があり怖すぎないホラーという事なので今後プレイしてみようと思います。
JJ
その時に登録されたのかもしれませんね。
ぜひプレイされてみてください*:・'゚☆