
タイムリープ探索ミステリーADV『セクシーブルテイル The Sexy Brutale』
リアルタイムに起こる殺人事件を阻止していく、高評価・良物語のゲーム。
とても面白い作品でしたので、レビューを兼ねて特徴をご紹介します。
✨ | The Sexy Brutale ゲーム特徴紹介&レビュー |
非常に好評、定価1980円、開発 Cavalier Game Studios, Tequila Works、日本語対応
ループする殺人事件を阻止して、不可解な謎を暴くのだ!
大邸宅『セクシー・ブルテイル』で開かれる仮面舞踏会。
リアルタイムに屋敷各所でゲストたちが暗殺されていく……
そして深夜0時になると時間が巻き戻り「同じ一日が繰り返される」
リアルタイムに屋敷各所でゲストたちが暗殺されていく……
そして深夜0時になると時間が巻き戻り「同じ一日が繰り返される」
一体何が起きているんだ……考えている余裕はないぞ。
すぐに一人目の犠牲者が! 阻止する方法を探さねば。
そして屋敷の秘密を解き明かして、全員を救うのだ!
タイムリープしながら屋敷を探索、手がかりを探っていくADV
ある仮面の力により、主人公は昼0時まで時間を遡ることができる。
だが、ゲストや使用人に見つかってはならない。時間が止まり、
悪夢のような仮面に襲われてしまうのだ! 対抗手段はない。
つまり、犯行を直接止める事はできず、間接的に阻止するしかない。
何度も時間を遡りながら、彼らの行動を監視したり、盗み聞きしたり、
犯行現場を調べたり、阻止する方法を探っていくステルスADVである。
ドアの鍵穴ごしに覗き見たり、耳を澄まして隣の部屋の会話を聴いたり、
犯行現場のクローゼットに隠れて一部始終を目撃したり……手段は様々。
体験した情報は、地図や持ち物に反映されていく。 これが結構便利。
ゲストを救うたび、特殊能力を受け継いでいく。
ゲストはそれぞれ才能があり、救うと彼らの能力を獲得できる。
特殊カギを開けられるピッキングスキル……何かが見える超感覚……
得るごとに行動手段や行ける場所が増えていく。毎回ワクワク。
また収集したアイテムは、時を遡ると初期位置に戻ってしまうが
最初から使える「重要アイテム」も存在し、行動幅が広がっていく。
シークレット収集要素もある
登場人物や屋敷のことが詳しく分かるパンフレットや、
ゲストたちの招待状、そして各所に隠されたトランプカード…
すべて集めると一体何が起こるのか!?
✨ | The Sexy Brutale 気になった点 |
本格的な推理要素を期待するとちょっと違う。
上画像のように調べられるオブジェクトは意味深だが、
多くが雰囲気演出のフレーバー。推理する必要はほぼない。
重要オブジェクトは「取る」「使う」などコマンドが現れる。
多少頭を使ったり、ゲーム的な仕掛け謎解きはあるが、結構簡単。
総当たりで調べれば必ずヒントも。あくまで物語を楽しむゲーム。
キャラクターの動きが相当ゆったり。移動スピードも遅め。
頭を振ったり肩をすくめたり、細かくアニメーションするのだが
その数秒はウェイトがかかって操作できないのがもどかしい時も。
その数秒はウェイトがかかって操作できないのがもどかしい時も。
ゲームスピードの1.2~1.5倍くらいの加速機能がほしくなった。
またグラフィックボード負荷が意外と高め。PC性能によりそうだが
ボタンを押した反応にラグがあり、押しても押せていない時がある。
「ドアを開ける」「何か操作する」など、毎回ボタン連打して対処。
「ドアを開ける」「何か操作する」など、毎回ボタン連打して対処。
✨ | The Sexy Brutale レビューまとめ |
美しく雰囲気良いグラフィックや、良センスの楽曲、
好奇心をかき立てられる複層的なシナリオ構成、
とても面白いミステリーアドベンチャーだった。
好奇心をかき立てられる複層的なシナリオ構成、
とても面白いミステリーアドベンチャーだった。
「タイムリープ × 特殊能力 × ミステリー」好奇心惹かれる題材と
「行ける場所やできる行動が増えていく」探索型ゲームの面白さが
特殊ルールを使って上手くまとまめられている。
リアルタイムの見下ろし視点ADVである点もポイント。
操作中に実際に「見た・聴いた」ことだけが全てであるため、
主人公との一体感や、犯行時刻が迫る緊迫感など、臨場感があるのだ。
プレイヤー自身が「苦労して彼らを救う」体験がとても効いており、
物語の真相に重みを与え、ラストのインパクトにつながっている。
物語の真相に重みを与え、ラストのインパクトにつながっている。
ゲストたちを探る過程で、必然的に彼らのドラマを垣間見る事になる。
1人1人の考えや行動、置かれている状況、それぞれ異なる壮絶な最期……
何としても救わねば! いつしか感情移入しながら、頑張る自分がいた。
1人1人の考えや行動、置かれている状況、それぞれ異なる壮絶な最期……
何としても救わねば! いつしか感情移入しながら、頑張る自分がいた。
物語的にはオカルト色がありファンタジック。感動するというよりも
何度も何度もタイムリープして辿り着いた「救済の旅」の終着点、
どんな結果であれ、やり遂げた満足感を感じられるラストだった。
何度も何度もタイムリープして辿り着いた「救済の旅」の終着点、
どんな結果であれ、やり遂げた満足感を感じられるラストだった。
クリアまでは約8時間(+2時間ほどで収集コンプリート)
雰囲気もとても良い。特にBGMや音響設計が秀逸
映画風スコアや落ち着いたジャズを基調として、
お洒落な楽曲が沢山用意されており、部屋や状況に応じて流れている。
お洒落な楽曲が沢山用意されており、部屋や状況に応じて流れている。
美しい情景の空間では、そのまま聴いていたいと思える事もあった。
それに混じるように、銃声など「誰かの最期の音」が時々聞こえてくるのだ。
一つ一つの「音」の裏側にあるドラマを知るたびに、切なく心に響いてくる。
足音や操作音など、まだ生きている事を実感できる物音……
それが徐々に聴こえなくなっていく不安感や悲しさ……
それが徐々に聴こえなくなっていく不安感や悲しさ……
本作の音設計はとても情緒があり、心揺さぶられた。
ミニチュア風のCGグラフィックも非常にGOOD
時間に合わせて移ろう光の変化なども味わいがある。
丁寧に作られた感のある、完成度の高い作品だった。
🍸 | JJ Voice |
こういう直接操作型のアドベンチャーは大好物です。 本作は最初のテストプレイ時から異彩を放っていました。 最後まで遊んで良かったと思えた作品です。 自力100%コンプリートできた点も嬉しい。 イベントでは語られませんが、登場人物全員や各施設など、 裏設定がとても細かく練られている点も感心しました。 相当な分量だけに、日本語で読めるのはありがたいですね。 |
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