STEAM力作レビュー『Late Shift』強盗劇を描くサスペンス映画のようなマルチエンド実写アドベンチャー

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強盗劇を描いた映画のような実写アドベンチャー 
Late Shiftクリアを機にレビューを兼ねてご紹介します。
今年1月には日本語字幕にも対応した STEAM PCゲームです。


 Late Shift game review
非常に好評  定価1280円  開発 CtrlMovie  日本語対応(字幕UI)


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「強盗劇を描くサスペンス映画」に介入するような実写ADV
2009年映画 シャーロックホームズ(ロバート・ダウニー・Jr版)の脚本家、
マイケル・ロバート・ジョンソン氏が物語執筆。イギリスでフルHD撮影された
映像クオリティの非常に高い、映画感覚で楽しむ1周1時間ちょっとの分岐作品。

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主人公は大学生マット。駐車場の管理人バイトをしていたある夜、
不運にも強盗団により拘束され、彼らの犯罪に巻き込まれていく。
協力するか? それとも……!? 


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選択肢により分岐する、7つのマルチエンディング
「逃げる」or「従う」 「強気に出る」or「冷静を保つ」
など時限式の選択肢が所々に現れて、展開にも影響していく。
数秒の選択画面中もシーンは動いているため、緊張感がある。
生死を分ける選択など、焦って自分の人間性が試されるのだ。

ルート分岐自体は少ないが、細かなシーン・バリエーションは相当豊富。
どの選択をしても、自然にシーンがつながっていく構成には感心した。
似たようなシーンでも差分パターンが沢山撮影されているのだろう。
なお日本語訳は十分良いが、誤字や分かりづらい表現も一部ある。



 Late Shift 気になった点
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任意セーブやスキップがないため、やり直しは気軽ではない。
全エンディングを目指すなら、同じシーンを何度も見る事になる。
それもどのルートでも終盤まで続くため、毎周1時間強のコース。
7つエンディングを観ようとすれば、8時間前後はかかるだろう。

私は3周クリア後に以下STEAMガイドに気付いたのだが
一定シーンごとにオートセーブされる仕様を利用する方法もあるようだ。

ただ普通にプレイしていると、そのタイミングは分かりづらい。
既読シーンだけでも早送り機能が欲しいと感じた。



 Late Shift レビューまとめ
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最初の2~3周までは、良質な映画鑑賞気分を楽しめた意欲作。
ストーリー展開は面白く、どうなるんだろうとワクワクしながら遊べた。
大きな分岐は少ないが、細かな選択が信頼関係に影響したり興味深い。
周回時、どこでどういう選択をすべきか検討したくなる面白さがある。

派手なアクションはないが、物語クオリティが高くて見入ってしまう。
選択画面ループなどなく、流れるように自然にシーンがつながっていく。
俳優陣の演技もしっかりしており、まさに映画を観ている感覚だった。


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ただし、全エンディングを目指すのは悩ましい。
気になった点として上述したが、任意セーブやスキップ機能がないため
普通にプレイして、沢山の選択肢を試行錯誤するには相当時間がかかる。

「その選択でどう行動するのか」分かりづらいシーンがあったり、
「階段 or エレベーター」など選んでみないと結果が予測しづらい
選択も多いため運ゲー的な感覚もあった。ある意味リアルではある。

私の場合、最初の2周は異なるバッドエンド。
3周目にして偶然グッドエンドへたどり着けた。
絶対に失敗できない選択の緊張感で = 何度もやり直したくない(笑)
いい感じに展開していった時には相当テンションが上がった。キタ-ッ!


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ゲームとしての快適性は高くないが、物語&映像作品としては良質。
全エンディングなど考えず、満足できるエンディングに辿り着いたら
そこで幕を閉じるべきゲームなのかもしれない。



🍸 JJ VOICE

遊ぶ時間が少ない時に重宝するゲームだった。
大作アクションや長編RPGだと1時間では物足りない事もある。
その点、本作は1時間ちょいで程良く濃い展開を楽しめるため
選択肢を選んで観るだけだが、初回2~3周は結構満足できた。

ちなみに中国女性ヒロイン役は日本人の女優さんのようだ。
英語の演技が自然なため、名前を見るまで気づかなかった。
よくあるハリウッド映画と逆パターンで面白いね。


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