力作PCフリーゲーム『Lily - Colors of Santa Luz』幼い娘を連れて、戦地から脱出を目指す! 3DステルスADV短編

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幼い娘とともに、戦地と化した街から脱出を目指す!
Lily - Colors of Santa Luz』 ステルス風3DアクションADV
良質な30分ほどの短編PCフリーゲーム。感想を兼ねてご紹介します。


💥Lily - Colors of Santa Luz === Free Game
制作 ISART DIGITAL学生チーム、 日本語なし
インストール不要 2.36GB(解凍後)、 PCスペックも多少必要

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最初に音量設定をチェック
私の環境では、何故かボイスと効果音が無音になっていた。
何かの拍子に変わったのかもしれないが念のため確認したい。
音のあるなしでは全然違う。すべてMAXで丁度いいバランス。


💥Lily - Colors of Santa Luz === ゲーム紹介
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この街はもう危険だ! 娘を守るため…脱出するんだ!

戦争が近づき、殺気立った兵士に占領された街Santa Luz(サンタ・ルース)
主人公 Yvan(イヴァン)は、協力のもと港に脱出ボートを用意してもらう。
だが娘 Lily(リリー)はまだ幼い……悲しい想いをさせる訳にはいかない……

そんな親心を抱えながら、何も知らない無邪気な娘を連れて
危険な街を横切っていく、3Dアドベンチャー。

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テーマは「娘の感情」の変化
所々にある収集要素や、選択肢によって娘の感情が変化。
絵日記を描いており、行動内容もそれぞれ反映されていく。
最終的に救いある内容になるか、暗い内容ばかりになるか…
そう、プレイヤーの行動次第なのだ。


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基本はステルス・アドベンチャー

基本的に戦う手段はなく、見つかれば即射殺!という恐ろしい状況。
娘を抱えてダッシュ、または慎重にスニーキングして突破していく。
そろそろ着いてくる娘の様子がまた可愛い。おっと、離れないよう注意。
ちなみに難易度的にはベリーイージー。初心者パパも安心。


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各所で究極の選択も迫られる!

時には選択イベントで、時にはアクションシーンで!
危険が迫っており、のんびり選ぶ余裕などない緊迫状況。
リスクを避けて脱出を優先するか、それとも……



💡Lily - Colors of Santa Luz === 気になった点
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一部エリアのイベント・フラグがちょっと変な時あり。
書店でイベント発生条件となる娘の反応タイミングがまちまち。
あらぬ方向を向いたまま「見て見て!」となる事もあり
初見だと何を調べればいいのか分からない可能性も。
その場合、レトロなスピーカーを調べると進行する。

セーブ機能がないため、タイトル画面に戻る時は注意。
毎回ニューゲームとなり、飛ばせないイベントも。
クリア時に完成した日記も初期化されてしまうのが残念。




Lily - Colors of Santa Luz === プレイ感想
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戦火の緊迫状況下……命だけでなく、心も守ってあげられるのか?

そんなテーマも込められた、着眼点がとても良い作品。
もしも父親1人だったなら、普通のステルスACTとなり
逆に必要もない敵兵まで全員殲滅してまわることだろう。

だがしかし! 「大切な娘がいる」という影響力は偉大。

殺気立った顔など見せたくないし、優しい父でありたいもの。
娘の悲しい表情を見てしまった時には心が痛み、
喜んでくれた時には、こちらまで嬉しくなる。

確かに「極限状況では手段を選ぶな、強くあれ」と教えたい。
だが希望がある限り……純真で笑っていてほしいとも願うのだ。


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そして時には正しい事のため……危険を乗り越え……
ヒーローとなった我が雄姿をッ 記憶に刻んで欲しいものなのだ!
……私とした事がつい熱くなってしまった。

そんな、熱く語りたくなる印象的なゲームだった。
綺麗なグラフィック、娘の可愛らしさ、イラストワークの良さ、
演出の良さなど、全体的に丁寧に作られた印象のある短編作品。


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制作期間の限られた学生作品のため、娘は見つかっても大丈夫だったり
やや変な反応位置があったりツッコミ所もあるが、笑ってスルーしたい。
さあ…父娘の運命やいかに!?



 JJ voice

ちなみに本作は Matthieu BATHELLIER 氏率いる学生チーム卒業制作。
Unity awards 2016 にて Best student project にも選出された作品。
このメッセージ性と表現力からすると納得でした。

純粋に面白さを追求したゲームはもちろん良いけれど、
何かしらのテーマで考えさせるのも良いなと思えた週末の午後。
また、良いゲームに出逢えました。お気に入りの一本です。


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