PCゲーム・レビュー『The RED LANTERN』犬ぞりでアラスカ雪原を旅する!一人称視点のゆるいサバイバル・ローグライクADV

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アラスカ雪原を犬ぞりで旅する『The Red Lantern』 

一人称視点のゆるいローグライク&サバイバルADV。
2020年10月22日リリースされた新作ゲームのPC版、
4周クリアを機にレビューを兼ねてご紹介します。


 The Red Lantern ゲーム特徴

定価 2570円  開発Timberline Studio  日本語なし(※記事最後に関連付記)

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(本作向け補足)MelonModバージョンv0.5.7で動作。導入はIL2CPP版。
掲載画像も翻訳したものに一部差し換えました。


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アラスカ雪原を行く! 犬ぞり触れ合いの旅

主人公は犬ぞりレースのマッシャー(御者・操舵手)を目指す女性。
トレーニングため、アラスカ奥地の家へと向かう事になる。
地図によれば、道の終わりから数日ほどの距離のようね…
よぉし、犬たちをスカウトして出発よ!


ゲームシステムは、ランダムイベント型の資源管理ローグライクADV

移動ルート選択、TRPGのようなイベント選択肢を楽しみながら
個性豊かな犬たちを愛でていく(犬によって固有イベントあり)
サバイバル要素は「物資・空腹・怪我・疲れ」くらいで緩め。

アクションではなく行動選択型。 体力尽きて挑戦失敗すると、
入手した恒久物資やギア(装備)を引継いで最初から再挑戦。
何度もプレイして新発見するほど、攻略しやすくなっていく。



 The Red Lantern 最初にドッグチームを編成!
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特徴=性格が異なる、犬8匹から4匹を厳選

愛犬Champer(チャンパー)は固定のため、残り4匹が選択肢。
候補犬たちに会うイベントがあり、仕草からどんな性格か判断。

ステータス表示はないが、性格が旅に影響していく。
例えば、好奇心旺盛な子は小動物にちょっかいを出したがったり
冷静な子は何かを発見することに長けていたり、得意分野がある。



 The Red Lantern さあ出発よ! ゲームの流れ
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1・初期物資をソリに積んでGO ※レース系ではない


レースゲームのような自由操舵ではなく、ルート選択で自動走行(視線は動かせる)
マップには分岐点が沢山あり、左(Haw)、右(Gee)と掛け声で犬たちに指示。

初期物資は、食料2個、弾薬3発、火口1個、救急キット1個。
日帰りピクニックか!とツッコミたくなる少なさで笑った。
そんな主人公も失敗によって学んでいくのだ。


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2・道中では様々なイベントが発生!

湖などエリア固有イベント、物資収集イベントほか、
色んなランダムイベントが発生し、選択を迫られる。

「何か見つけたの? え…罠にかかったオオカミじゃない!」
1 助けなきゃ 2 私達を襲う気? 3 食料にするだけよ=狩猟モードへ

「待って… あそこに怪しい廃屋が!」
1 呼びかける 2 誰もいないだろうし探索する 3 触らぬ神に祟りなし

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TRPGのような感覚で、選んでみるまで結果は分からない。
得意分野の犬がいると、有利選択肢を選べたりする。

物資・装備を入手できたり、ケガして何も得られなかったり
プレイヤー自身が覚えながら、次回プレイに活かしていく。


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3・狩りもイベントの一つ ※FPSではない

弾薬貴重なため一発必中を目指す、食料入手チャンス。
エイム不要なタイミング押しミニゲームとなっており
動く点と丸が重なる瞬間にSHOOT!


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4・装備入手イベントもある ※アクションではない

「釣り竿」……釣りミニゲームが可能になり、食料入手経路が増える。
「斧」……火口の採取は体力消耗するが、斧があれば消耗しなくなる。

そんな具合に、装備ギア入手ごとに旅が楽になっていく。
なお、アクションゲームではないため自由操作はできない。
伐採も狩猟もすべて遭遇イベントでの自動アニメーション。


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5・キャンプ休憩で体調管理

キャンプでは、睡眠、治療、食事(主人公も犬も食料共有)
そして犬をなでなで可能。 Good Boy Good Girl(表情が可愛い)
イベント後の犬には専用セリフも用意されている(喋るのはもちろん主人公)

TIPS
イベント中以外は「Cキー」でいつでもキャンプに入れる。
連打せず長押しOK。ただイベント直後すぐキャンプしたくても
自動的に走行開始してしまうため、餓死寸前だと焦ってしまう。


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クリア or 空腹で体力尽きれば、装備引継ぎで最初から再挑戦!

「このエリアにあのイベント」「このイベントであの選択」
などプレイヤー自身が知識も蓄えていきながら攻略していく。

物資入手チャンスも運次第のため、何周もリトライしながら
初期装備を充実させていく事で、生存確率を上げていくゲーム性。

CHECK
初見クリアはまずできないものの、難易度はかなり易しい。
私の場合、2時間ちょっとで初回クリア(7回目の挑戦)

4周目クリアともなると、もはや物資&装備は充実しており
慣れれば1周あたり45分ほどでゴール到着とサクサクになる。




The Red Lantern 気になった点
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FPS・アクション・レースではなく、自由操作はできない。
『The Long Dark』犬ぞり版のようなゲームかと勘違いして
PVとストア情報だけ見て衝動買いしたため、最初戸惑った。

イベントはすべて自動アニメーション。
自由に動かせるのは、カメラ視線と犬ぞりの操舵風演出のみ。
片手で遊べるゲーム、と言いたい所だが、キーボードも必要。


リアリティを期待してはいけない。
例えば、狩りシーン。
・目の前で銃を構えても気にしない動物達(イベントによる)
・射撃タイミング待ちの間、数十秒でも数分でも待ってくれる。
・1発命中して怪我しても、逃げずに2発目を待ってくれる。


ドッグチーム編成がちょっと不便。
スキップした犬はもう選べず、決定した犬はもう外せないため
最初の4匹スキップしてしまうと、残り4匹で強制決定となる。
一期一会のワクワク感がコンセプトと思われるが
全員会ってから厳選したい場合は、ニューゲーム。

また会うたびに会話演出が入り、少々時間がかかる。
2周目以降はリスト画面などから選ばせて欲しい。


その他の点
・キーコンフィグなし。いっそマウスだけで操作できると楽なのだけど。
・前回ランと同じイベントも遭遇しやすく、ボリューム少なめに感じやすい。
・一文一文は短いが、英語選択肢は読む必要あり(日本語実装を期待したい)



 The Red Lantern レビューまとめ
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犬好きによる、犬好きのための、気軽な犬ぞり数日間の旅体験


雰囲気の良さ、2時間ほどで初回クリアの易しさ、静かなBGMなど
手に汗握るサバイバル!ではなく、のんびりリラックスしながら遊ぶ感覚。
犬ぞり部分も、レースではなく、育成や調教などシミュレーターでもない。

様々なイベントを通して「犬ごとの反応や犬との時間」を楽しむ、
犬ぞり旅体験ADVという印象だった。 とてもイヌ萌えゲーム。


「HAHAHA 大丈夫かい?」 失敗で困った表情の子を気にかけたり、
「おお凄い、よくやった!」 何か見つけた子を褒めたりロールプレイ。
「ごめんな… もう食料ないんだ……」 「猛獣!? みんな落ち着け!」

いい子、ダメな子、みんな一緒に挑戦の旅を重ねていくことで
プレイヤー自身も喜怒哀楽、いつしか愛着が沸いてくるのだ。
犬ごとの愛らしい表情、仕草の可愛らしさも堪能しながらね。


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ゲームとしては、運ゲー要素の強いローグライク・サバイバルで易しめ。
編成を変えてニューゲームで遊べば、犬ごとの固有イベントも登場するが
7~8時間も遊ぶとイベントは大体網羅できてくる。

マップは1つ。コンテンツの少なさも感じるため
別マップまたは犬ごとの固有イベント増量など
何かしら大型アップデートを期待したくなる作品だった。

犬好きプレイヤーがどんなゲームか分かって購入する以外に、
私のように『THE LONG DARK』などアクションと勘違いしやすさが注意点。
コンテンツ拡充など遊びの幅が充実していけば「非常に好評」の素地も感じる。


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最後に、日本語について。
公式サイトに記載がないため名称は控えますが、エンドロールには「Japanese Localization」として有名な翻訳会社名や日本人名が表記されていました。公式Twitterでは翻訳に取り組んでいる旨の返信や、公式サイトに複数言語の追加予定の記載もありました「Additional languages to be added later」。だがしかし。

(追記)2年以上経っても日本語どころか多言語対応なし。
Switchストアに一時期あったJapanese表記もなくなり、
Twitterでの言語対応への質問にも返信がないままのため
もしかしたら予算など多言語対応は厳しくなったのかもしれません。



 JJ VOICE

個人的にはスティルトンとフィンが特にお気に入りでした。
主人公LOVE 過ぎない、付かず離れずくらいの距離感がいいですね。

子供の頃、イヌとネコを飼っていたのですが
どちらも私にはあまりなつかず、たまにすり寄ってくる位だったため
何となく重ねてしまうのかもしれません。また犬飼いたくなってきた(笑)


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