STEAM力作レビュー『The Bunker』核シェルター最後の生存者を描く! 映画のような実写スリラーADV

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地下核シェルター最後の生存者を描く、実写スリラーADVThe Bunker』 
映画気分で楽しめましたので、レビューを兼ねてご紹介します。
以前紹介した『Late Shift』メーカー作品、STEAM PC版です。


 The Bunker game review
ほぼ好評  定価1320円  配信 Wales Interactive  日本語なし


核シェルター最後の生存者を描く、映画のような実写スリラーADV
時代は20世紀中期あたり。核爆発により壊滅状態にあるイギリス某所。
政府地下核シェルターに逃れた生存者58人…… そして生まれた主人公。

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30年後、成長した主人公はもはや“最後の生存者”となっていた……
「絶対に外に出ない、絶対に日課を守る、そうすれば安全よ」
亡き母親との約束どおりに生きてきた。

だがついに、核シェルターに異常発生のアラートが!
もう僕しかいないんだ… 何とかしなきゃ!
意を決して地下階層へと向かうが……


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そんなスリラー映画のような実写ムービーをベースに、
ポイントクリックで進めていくアドベンチャーゲーム。
上画像だと、扉や通路にアクションアイコンが表示される。

現在のドラマとあわせて、子供時代のフラッシュバックで
過去にシェルターで何が起きたのか物語られていく構成だ。
役者陣の熱演もあり、映画を観ているような気分だった。


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余裕のある時は自由行動でき、進行に関係ない部屋にも行ける。
広くないが物語背景がわかるログや、おもちゃ収集要素もある。

各所にQTEイベントがあり、主人公との一体感を高めてくれる。
ただし突然現れる「短い時限式」もあるのがちょっと厄介。
のんびり鑑賞してしまっていて反応しづらい。



💡 The Bunker 気になった点
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調べられるポイントが分かりづらい。
マウスを近づけた時だけ、小さくアイコン表示。
新しいシーンごとに画面中をマウスで探す感覚。
意外な場所にアイコンが出たり気付きにくい事もある。

一度観たシーンでもスキップできない。
各選択行動には細かく数秒ムービーが入る。
「それはまだできない」そんな感じで数秒待たされる事もある。
スキップできないため、実績や収集要素など2周はちょっと躊躇。



 The Bunker レビューまとめ
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スリラー物語としては結構面白くて、映画気分で楽しめた。
映像クオリティは高く、カットやBGMなど雰囲気作りが非常に良い。
映画俳優陣だけあって演技も良好。 気付けば展開に見入ってしまい
時々迷って約2時間、先の見たさにクリアまで一気に遊んでしまった。

なぜ主人公が最後の一人になったのか? 一体何が起きたのか?
そして今何が起きているのか? 主人公の運命はどうなるのか?
現在と過去が交差しながら、真相が見えていく過程はワクワク。

英語は多少読む必要もあるが、進行に必要なシーンは比較的容易。
まだできない選択をすると、主人公が否定するドラクエ式ループ。
長文はスルーしても、実写ムービーのため展開は分かりやすい。


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怖さ10段階だと…普段「1」 後半「4」  ※ホラー苦手な私の場合
精神的な怖さ中心だが、音で脅かすビックリ系もあるため心臓に悪い。
初見時は良いが、2周などリプレイは遠慮したい。分かっててもヤダ。
「うわ、勘弁して! 怖いって!」ちょっとパニクってクリック連打。

エンディングは2種類。終盤分岐のため、最終オートセーブからやり直せる。
なおQTEイベントによる成否分岐はあるが、シーンが少し変わる小さなもの。
他には収集要素や実績くらいとリプレイ性は薄い。


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ゲームとしての快適性は高くないが、物語&映像作品としては良好。
初見2時間ほど、集中して楽しんで幕を閉じる短編ゲームだった。



🍸 JJ VOICE

1~2か月に一本は遊びたくなるサスペンス系ゲーム。
今回はシチュエーションがとても好みだったため
今まででも特に期待値が高かった作品です。

リアルにあんな閉鎖空間で30年も生活していたら気が狂いそう(笑)
もし主人公の立場だったなら、一人怖くて不安だっただろうなと共感。
極限状況ほど人間性を試されそうですね。色々重く、興味深い作品でした。


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 The Bunker 最後にネタバレ感想

以下はクリア後などにクリックしてご覧ください。
(一部環境では隠れずに表示されてしまうようです)

 


本作のメインテーマは「主人公の成長」なのだろう。
シェルター内で生まれ育ち、母親にずっと守られてきた。
外の世界も知らない。シェルター最上階だけが安息の家。

でも異常事態の今、自分だけで何とかしなくちゃいけない。
地下へ行くには、過去の恐怖も乗り越えなくちゃいけない。
そして追い込まれながら、必死に頑張って強くなっていく。
最後の試練である依存心も振り払って、自分の意思で選択。

いや良い巣立ち物語。きっとお母さんも喜んでいるだろう。
最終階段前で躊躇したジョンへの鼓舞に気持ちが現れてる。
スーパーハードな最終試練を超えて、十分成長できたはず。
この先は、自分で全部選択して行動して生きていくのだ。
最後の行動にもぐっときた。プレイヤーの最後の一押し。
そう、後はジョンの人生なんだ。 GOOD LUCK daze :)






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