『The Bureau: XCOM Declassified』レビュー。SF映画好きなら楽しめるXCOM戦術TPS。日本語対応

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The Bureau: XCOM Declassified

人気ストラテジーXCOMをTPSシューターにし、物語性を強化した外伝。
60年代X-COM創設期が舞台。タクティカル要素の強い高難易度TPS。
今回はクリア後のレビューを兼ねて、ゲーム内容をご紹介しよう。


🎥 The Bureau: XCOM Declassified ゲーム紹介
定価1980円  開発&配信 2K  日本語対応(UI/字幕)


米ソ冷戦時の1960年代、突如襲来する未知の軍勢。
謎の国家機密を運ぶ諜報員カーターに起こる不可解な変化。
これはXCOM創設期の壮絶な戦いを描くSF大作物語。


シリーズの代表作 『XCOM: Enemy Unknown』でもお馴染みの要素満載。
基地運営はないが、主人公&隊員の成長要素、エイリアン、未来兵器などなど。
だが最大の魅力は、B級SF映画のような物語や世界観にある! (詳しくは後述)

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基本は、基地でのアドベンチャーパート、各現場でのミッションを交互に進めていく。
メインストーリーほか、サブミッションやミニクエストもあるが、すべて終わらせた上での
クリア時間は私の場合20時間弱、サクサク進めば5~6時間は短縮できると思う。



💥 TPS+RTS 「時間はかかるが戦術が面白い」
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高難易度の戦闘。
戦闘はカバー要素のあるTPSシューター。互いに隠れながら隙をついて撃ちあう。
マップは広めで遮蔽物は沢山あるが油断できない。少しでもとどまっていると
グレネードや範囲攻撃を仕掛けてきたり、サイドに回り込んだり裏取りしようとしてくる。
敵は大勢かつ超堅い。一般的なTPSの立ち回りでは困難だ。決してサクサクTPSではない。

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RTS要素「戦術の自由度が高い」
いつでもバトルフォーカス(スローモー)を使って、部下の行動を細かく指示できる。
例えば、隠れている敵スナイパーが厄介なら、スキル「挑発」で怒らせておびき出し
道に「地雷」を置いててドカン。 または「デコイ」や「ドローン」で気を引いた隙に死角へ。
近づいてグレネードを投げ入れたり、裏取りして殴り倒してもいい。他にも手段は色々。

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兵科ごとに多彩な成長スキルを選べる。
コマンドー(アサルト)、工兵(メカニック)、偵察兵(スナイパー)、支援兵(サポート)
出撃時2人を選べる。兵科によって色んな戦い方ができるため、攻略の幅が広い。
というより、スキルをフル活用しないとイージーでさえ苦戦必至の難易度だ。

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戦術とTPSだけを楽しむバトルデザインになった。
戦闘エリアは大体決まっており、大抵集団戦。気付かれると全員交戦状態になる。
隠れていてもバトルフォーカスで全員の位置が分かるため、作戦を立てやすい。
その代わり、XCOM EUのような〝慎重に索敵しながら進む緊張感” はなくなった。



📝 残念な点
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地雷や砲撃など遠距離スキル指示がスムーズではない
投げる場所の指示なのに、遮蔽物をよけて階段などを通って視点を動かさないといけない。
そのため、1m程度の塀越しですら地雷を投げられない理解に苦しむエリアも (画像)
せめてオブジェクトをすり抜けてカーソル移動させてほしいものだ。

仲間AIがよくバカな行動をする
昇級すれば戦力は増すが、頭は良くならない。 座学をサボる隊員たちである。
敵陣に突撃したり、敵地雷に近づいたり、自分からピンチになりに行く事が多い。
蘇生が間に合わないとロストなので辛い。指示しても少し離れると勝手に動く。

バグらしき現象もたまに起こる
カバー中、一度に多数指示すると、攻撃ボタンが効かなくなる事がたまにある。
一旦カバー解除して再カバーすると治る。 毎回ではないためバグの可能性が高い。
また、仲間が棒立ちで動かなくなる事も1度だけ。次エリアに行くと治った。



 良い点 「SF好きなら楽しめる世界観や物語」
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XCOM EUでは弱かった〝ストーリー性” が大幅補完
このゲームの最大の魅力は、物語や世界観だ。 見てくれ、このSF小説画のような濃い顔を。
映画 『宇宙戦争』、『ロズウェル』 『ビジター』などのエイリアン物の海外ドラマに通じる
古き良きB級SFを思わせる要素が、これでもかと全編に散りばめられている。

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エイリアン達の圧倒的兵力に壊滅していく絶望的状況……蔓延しはじめる謎の病気……
戦いで得ていく「希望と不安」……少しずつ見えてくる敵の秘密……そして真の目的……
ストーリーは一見、ヒロイックな王道物かと思いきや、意外な変化球で結構面白かった。
沢山の小笑いあり、涙あり、手に汗握るアクションありのエンタメ展開にワクワクした。

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本作ではXCOM基地を自由に歩きまわる事ができ、各所に小ネタが満載。
エイリアンの生態や技術の考察、空想科学、実験の様子など、見ていて楽しい。
RPG並みに多くのNPCに会話があり、シナリオ進行に応じて数段階変わっていく。
戦時下の職員達の本音や軽口に、何度もニヤリとしてしまった。

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ミッション中には各所に脇道があり、住民達の戦った痕跡などが残されている。
色んなドラマを垣間見る事ができ、中にはとても切ない気持ちになるものもあった。



📝 The Bureau: XCOM Declassified レビューまとめ
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不満点は多々あるが、総合的には面白さが勝っていた。
★10評価なら、戦闘は★7、物語&世界観は★10
操作面が改善された次回作をぜひ期待したい。

なお、長時間プレイではなく、1回1~2時間程度のプレイがお勧め。
後半は似た大規模戦闘の連続、1戦1戦に時間がかかるためダレやすいです。



 JJ voice

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しかしこのシリーズの博士達はみんないいキャラをしている。
XCOM EUのバーレン博士も好きだが、本作のウィアー博士も後半笑えた。
ネタバレ記事ではないので書かないが、ある意味で笑い担当かもしれない。



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