
2018年公開の映画版『トゥームレイダー ファーストミッション』をレビュー。
卑弥呼伝説を扱った2013年の新生『Tomb Raider』をベースにした物語です。
日本語版ララは、ゲームと同じく甲斐田裕子さんによる吹き替えとなっています。
✨ | Tomb Raider The Movie Review |
トゥームレイダー ファーストミッション
Amazon Videoで今回鑑賞(2日間レンタル399円。記事執筆時点)
DMMなど他の配信サイトにもあり、価格や視聴条件が異なります。
配給 ワーナー・ブラザース映画、ストリーミング映像作品、117分

新生『トゥームレイダー』三部作の第一章2013年版をアレンジ。
行方知れずとなった父の痕跡を辿り、まだ若きララ・クロフトは旅立つ。
新たな仲間との出会い、恐るべき謎の武装組織、侵入を阻む古代遺跡…
世界を滅ぼすと言われる”幻の秘宝"を巡る冒険が始まるのだった___。
ゲーム版とは色々異なり、父クロフト卿の消息を追う設定となっている。
ロスやジョナなどゲーム版クルーは登場せず、映画版オリジナルの相棒が加わる。
卑弥呼伝説はもちろん、マサイアスやアナなどお馴染みキャラクターは共通する。

主人公ララ・クロフト役もかつて演じてきたアンジェリーナ・ジョリーではなく、
アリシア・ヴィキャンデルに交代。最初は違和感もあったが、日本語のおかげで
すぐに慣れた。まだトゥームレイダーとなる以前の初々しさが必要な役所だけに
合っていると感じた。髪型がもっと近ければより良かったのだけどね。

ゲーム版を思わせるシーンも各所に盛り込まれている。
「滝上の旧戦闘機」や「大嵐の船」などのシチュエーションから
敵拠点のステルスシーンや、弓矢やピッケルなどのアナログ武器、
お馴染みの手に汗握るジェットコースター展開なども見られる。
ただし2時間映画のため、戦闘シーンはそこまで多くはない。
謎解きや遺跡探検、人間ドラマなど、万遍なく描かれている。
✨ | Tomb Raider The Movie レビュー本番 |

映画としては比較的面白い「トレジャーハント」物だが、
原作ゲームを知っているとスケールダウン感も否めない。
ゲーム版では、邪馬台国伝説をベースとした卑弥呼や不死の軍勢、
現代ファンタジーの「壮大な世界観」も魅力のまさに大作だった。
現代ファンタジーの「壮大な世界観」も魅力のまさに大作だった。
だが、映画ではファンタジー要素はほぼ削られ、現実的設定に変更。
息を呑むような古代王国はなく、小じんまりした印象になってしまった。
息を呑むような古代王国はなく、小じんまりした印象になってしまった。
そのため映画ではシチュエーションも変わり、ラスボスの貫禄も薄い。
父親との繋がりを軸にしたシナリオ構成は確かに良かった。ただし
かつて「犠牲や試練…想像を絶する戦いを乗り越えて…やり遂げた」
ゲームクリア時のあのララの心情描写やインパクトには届かない。

ゲームと比べず、映画として考えた場合。
遺跡探検シーンなどは『インディ・ジョーンズ』に近い。
即死トラップや謎解きも少しありハラハラ・ワクワクしたが、
即死トラップや謎解きも少しありハラハラ・ワクワクしたが、
製作費100億円以上の大作としてはパンチが少々弱い印象も。
やはり古代遺跡1つでは弱い。古代王国や不死軍勢が無理としても
廃墟のようなロープウェイや通信タワー、切り立った山脈寺院ほか
ゲームには壮大な環境や、絶望的状況が沢山あったが映画では少ない。
もう一段階くらい絶望感が描かれていれば印象も変わったかもしれない。
同ジャンルの映画『ハムナプトラ』も壮大なファンタジー描写が魅力だった。
インディもそうだが、この系統の映画はぶっ飛んだエンタメがよく似合う。

ゲームや名作映画と比べると分が悪いが、普通に面白い作品ではある。
新生ララほか演技は良好。旅立つまでに丁寧に時間をかけすぎた感もあるが、
中盤以降は勢いもあり、2時間があっという間だった。言い換えれば中盤以降が
トゥームレイダーらしい冒険部分。もっと厚みがあれば評価も上がっただろう。
なおゲーム版ではあまり登場しない父クロフト卿が魅力的に描かれていた点が
個人的に良かった。『ライズオブ~』のDLCで好感を持っただけに感慨深い。
あくまで本作は映画版でも序章! ララのデビュー物語である。
冒険も戦いも本格的になるであろう続編に期待したい!
オマケ。甲斐田裕子さんによる映画告知PV。やはり声優効果は偉大だ。
ゲームでは初代とライズ合計100時間近く聴き続けた声だけに、耳に馴染むね。
🎧 | JJ voice こちらゲーム版 |
こちらは原作 Tomb Raider(2013) スケール感溢れるロケーション、盛り上がる展開も多い大作ゲーム。 そう言えば、映画は日本らしい要素も資料と戦闘機くらいでした。 映画を観ていたらゲーム版をまた遊びたくなりました。 積み中の過去シリーズにも再挑戦しようかな。最新作も楽しみです。 |
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この記事へのコメント
世界観もそうですし、原作のサバイバル要素を無くしていしまったせいで、仲間の犠牲を乗り越えながら生き延びるというララの精神面での成長が全く描かれていなかったのが納得いかなかったです。
父親が生きていたという改変も正直微妙でした・・・。
JJ
ゲーム版ララと映画版ララでは、今後戦う覚悟に差がありそうです。
ゲーム版だとトリニティへの憎しみやヤバさを実感しますからね。
アサシンクリードもでしたが、映画は短いぶん薄くなるのが難点ですね。
もはや前置き不要(のはず)の次回作に期待しています。