STEAM 力作PCフリーゲーム『When the Darkness comes』 独創的な不安体験、一人称視点のアドベンチャー感想&考察

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独創的な不安体験、一人称視点フリーゲーム『When the Darkness comes』 

光に導かれ、不気味な空間を進んでいくアドベンチャー。
個人的には楽しめましたので、感想を兼ねてご紹介します。
記事最後、JJ VOICEの下にネタバレ気味の考察も掲載しています。


When the Darkness comes
無料  開発 Sirhaian氏  日本語なし  必要スペックやや高め  ヘッドホン推奨

操作: WASD=移動、Shit=ダッシュ、Space=ジャンプ、F=アクション
字幕表示は、タイトル画面またはESCから「Subtitle」をONに変更。


※注意※ 必ずお読みください。

精神的に不安になる表現が含まれます。
うつ症状のある方や、暗闇や閉塞感などホラーが苦手な方、
不安に悩んでいる方は、プレイしない事を強くお勧めします。
好みの分かれる作風のため、万人にオススメするゲームではありません。

個人ユーザー名ほか、一部のPCデータが演出として使われます。
ゲーム体験を強化するもので、それ以外に利用することはないとの事。
念のためプレイ前後に、Kasperskyでウイルススキャンしましたが問題なし。
ちなみに壁紙はデスクトップで右クリック → 個人用設定で変更(Win 10)

ゲームをクリアするまで、通常方法では「ゲーム終了」できません。
「Enter長押し + Alt + F4」で終了。または「Ctlr + Alt + Del」
タスクマネージャーから終了。再開はチャプター選択でロード可能。




When the Darkness comes ゲーム紹介
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一人称視点のアドベンチャー。微ホラー短編。
主人公はプレイヤー自身。ゲーム内でも「プレイヤー」として扱われ、
ゲーム開発者(以後ナレーターと呼称)の用意した環境を探索していく。

最初はあの怪作『The Stanley Parable』のような
ナレーターとの愉快な会話劇かなと思わせつつも
次第に不可解な状況に進展していくのだった……

迷ったら「光」や「音」を探そう。ただし信用は禁物。
迷わなければクリアまで、初見でも45分~1時間ほど。
終盤の行動によってエンディング分岐する。選び直せないので要注意。


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次は何が待っているんだろう?  一体どう終わるんだろう?  えッ…!?
ワクワクしながら驚かされながら、最後の最後までプレイできた。
最初は訳も分からずバッドエンドを選んでしまい衝撃を受けたが、
だからこそ本作の意図に近づけたような気がする。
とは言え、バッド選択は決してオススメしない。

ちなみに英語自体は比較的分かりやすいが、
まったく読まなかったり、読んでも気に留めないでいると
英語圏のプレイヤーなら選ばないような行動をしてしまって
バッドエンドになりやすい。決定キーを押す場面では必ず読みたい。
※ゲームフォルダごと削除すれば、再解凍して最初からプレイ可能。


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果たして選択の先に待つものとは。


 JJ VOICE

途中からはスタンリーよりむしろ『THE BEGINNER'S GUIDE』を
思い出していた。メッセージ性は違うけれども似た香りを感じる。

ナレーターのほか、女性ボイスやBGMも効いている。
商用ゲームではまず避けるであろう表現や演出もあるが
その辺りは良くも悪くも、個人制作らしい思い切りである。
好みは分かれそうだが、私には心揺さぶられる体験だった。


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💡『When the Darkness comes』 最後に考察 ※ネタバレあり


以下は物語についての具体的な考察です。
クリア後などにクリックしてご覧ください。
(一部環境では隠れずに表示されてしまうようです)


 
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本作に込められたテーマは「選択の重み」なのだろう。
私達はいつも選択をしながら生きている。一喜一憂する日々。
だが、すべての選択をコントロールできている訳ではない。

時には「本心とは異なる選択」や「間違って伝わってしまう選択」
時には「選択させてもらえない」理不尽を強いられる場面もある。
支配者による圧力、ネガティブ意見による監視や誘導に流される。


ゲームではそういった社会の暗部を強調表現している。
もはや自由に選択できず、自分自身の良心にさえ耳をふさぐ。
そんな間違った選択の積み重ねが、悲劇へとつながっていく。
不安を通して見た世界……唯一の聖域にまで押し寄せる恐怖……
正直何度か鳥肌が立った。よく考えられて作られている。


「選択」は「自分の意志で」大切に選びたい。
思考停止な選択をして、失敗したことで実感した。
やり直しは二度と効かないかもしれない。
だからこそ焦らず立ち止まって考えたい。

もし違う状況でも、その選択肢を選ぶだろうか?
本当に、目の前の選択肢しかないのだろうか?
本当に、それが自分の「希望」なのだろうか?


ゲームについて考える内、ちょっとだけ心が晴れた。
作者さんの暗い過去に感じていた気持ちを表現した初作品との事。
願わくば、必要としている人の心を開き、考えるキッカケになれば
との想いが込められている。私の過去にも通じる部分があり共感。

ただバッドエンドのゲーム外演出はやり過ぎな気もする。
セキュリティ的な違う意味で不安になってしまった(笑)

もし暗闇が訪れても、最後まで諦めない。大切に選択にしたい。
そう改めて思わせてくれた「作品」だった。
Thanks for the powerful experience. :)




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